◆第26話 2005/05/15

         隅田川「七福神」


茅ぶきの門の寺、多聞寺
  隅田川七福神めぐりは江戸後期の文化文政時代に盛んになった。隅田川左岸(墨田区)を鐘ヶ淵から下流へ、多聞寺(毘沙門天)、白髭神社(寿老人)、百花園(福禄寿)、長命寺(弁財天)、弘福寺(布袋尊)、三囲神社(恵比寿・大黒天)と並ぶ。その一寺を紹介すると…。

 多聞寺は「狸寺」とも呼ばれている(最寄り駅は東武伊勢崎線・鐘ヶ淵)。江戸中期に建てられた茅ぶきの門をくぐると、左手に狸塚がある。

 昔、この場所に大きな穴があって、そこに妖怪狸が住みつき、村人に悪さをしたという。寺の和尚が一心にご本尊の毘沙門天を拝んだところ、狸を退治してくれた。和尚は狸をかわいそうに思って「狸塚」をきづいて供養したという話。

 境内には東京大空襲で被災した劇場の鉄骨が展示され、「不殺生の誓いを新たにしましょう」と訴えている。寺の掲示板には「不殺生の修業」として、憲法9条が墨書されていた。
                            (全信労芝信従組 福田克巳)