◆第21話 2005/01/15

       「上野寛永寺の清水観音堂


大晦日、狐が集まる王子稲荷
  東叡山寛永寺。文句なしの江戸ナンバーワンの寺であった。増上寺とともに将軍家の菩提寺で、その名は寛永元年(1624)に起工されたことによる。

 かつては上野の山全体が寺域で、国立科学博物館手前の大噴水のある所に根本中堂が威容を誇っていた。 だが幕末、ここにたてこもった彰義隊に対し、薩長軍が砲撃し、その戦いで寺は焼失した。今の本堂は前出の博物館の裏手に、ひっそりと建っている。これは川越・喜多院の本地堂を移したものである。

 さて、上野は古くは「忍ヶ岡」と呼ばれていた。これに対比して、眼下の池の名は「不忍の池」と名づけられている。

 西の比叡山延暦寺に対して、こちらは「東叡山寛永寺」。東の比叡山ですよ、というわけだ。
 さらに、京都・清水寺を模倣して「清水観音堂」が崖上に、朱ぬりの美しい姿で残されている。ここで二月初午に人形供養が行なわれる。それが済むと、桜の季節ももうすぐである。

                            (全信労芝信従組 福田克巳)