◆第17話 2004/09/15

           「 小石川療生所 

  今の一億円は、千両箱一つほどか?

 ―さる屋敷の奥深きところ。政商が差し出した千両箱を前に武家が言う。

 「葉石屋(日歯連とお読み下さい)、おぬしも相当のワルよのう」

 「御前ほどではございませんが、ね」

 このへんで飛び込んでくるハズなのが、「暴れん坊将軍」こと八代将軍吉宗である。

 絶対権力者・徳川吉宗は、力もあり、頭もよく回転し、何よりも信じがたい運を持って生まれてきた。 ハルウララの馬券をお守りに持つ人は、こと勝負の時は「吉宗、吉宗」ととなえた方がよい。

 紀州家の冷や飯食いの四男坊だった男が、天下の将軍に君臨する未来図は、どんなに「大穴狙い」の人間のも画けまい。

 吉宗は評定所に「目安箱」を設置し、世の声を聴こうとした。そしてその投書を基に作ったのが、「小石川薬園・養生所」

          (現・小石川植物園、都営三田線「白山駅」より歩一二分)である。

                            (全信労芝信従組 福田克巳)