◆第16話 2004/07/15

           「 浜 離 宮 

 さて狂気の沙汰とも言える徳川綱吉の「生類憐れみの令」を廃止させたのは、六代将軍となった甥の家宣(いえのぶ)であった。

 「憐れみの令を存続させよ」との綱吉の言葉に反したわけだが、家宣本人は「予は生涯この法を守りぬく」として、死ぬまで魚類・鳥類を口にすることなく、鷹狩りも行なわなかった。

 徳川歴代の将軍の中でも最も誠実、道徳的な将軍と評される六代将軍家宣だが、在職四年たらずで死去。その子家継は四歳で第七代将軍となるも、八歳で病没している。

 綱吉治世のゆがみを正そうとした六代家宣は「終生の師」と仰いだ新井白石を顧問として、理想主義的な政治を目ざしたが、あまりにも短い在職期間故に、印象のうすい存在になったのはいたしかたない。

 ところで、家宣の実の父の代に、汐留の東の浜に下屋敷を建て、美しい廻遊式庭園を造った。「浜御殿」こと「浜離宮」は今も多くの人が訪れる。
  (JR新橋駅・都営地下鉄汐留駅から七分)

                            (全信労芝信従組 福田克巳)