◆第13話2004/05/15  三井越後屋

 江戸に多かったのが「伊勢屋」と犬の糞だが、その伊勢商人の筆頭格は「三越」の前身「三井越後屋」である。
 越後屋は、当時の商習慣であった「盆暮れの払い」をやめ、「現金、掛値なし」の看板をかかげて商法を一新した上、商品ごとに専門の店員を置き、急ぎの注文にはその場で仕上げるなど、江戸中の人気を集めた。

 創始者三井高利は、先祖に三井越後守という武将を持つ伊勢松坂の人で、店の名も先祖に因む。
 江戸進出は四代将軍家綱の時代の1673年。10年後に駿河町(現在の三越本店のある所)に店を移した。その繁盛ぶりは、

 越後屋が 見えそうなも のと 富士でいい
といった川柳が作られたほどであった。

 時を経て明治37年、越後屋は日本初の百貨店「三越呉服店」となった。入口にライオンが置かれた頃(大正三年)には、「今日は帝劇、明日は三越」のコピーが流行した。

  (写真=玄関のライオンは三越のシンボル
                              (全信労芝信従組 福田克巳)