◆第10話2004/02/15  「水戸黄門


 「黄門」とは中納言の唐名だが、「黄門さま」と言えば水戸光圀のことである。

 諸国を漫遊し、「この紋所が目に入らぬか」と三ッ葉葵の印籠をつきつけて悪をこらしめる。

 こんな人がいてくれたら小泉首相もイラク派兵など出来まいと思うが、現実はそうはゆかない。

 さて、小石川「後楽園」は水戸家の庭園である。完成させたのは光圀その人だが、塀の瓦の紋が「六ッ葉葵」(写真)であることに気がつく。

 光圀が水戸藩主であったときの将軍は四代家綱、五代綱吉で、すでに実際の政治は老中たちが担っていた。

 尾張、紀伊、水戸などご三家を押さえこもうとした老中たちが、「将軍家と同じ家紋を用いるのは控えた方が良い」との意向を伝えたりした権力の綱引きが、瓦紋にも反映したようだ。

 藩の名君であり、「生類憐みの令」などの暴政に抵抗した光圀を、庶民がヒーローに仕立てたのは、当然だろう。