◆2020/02/28

東京都知事 小池百合子 殿

  新型コロナウイルス感染症発生にともなう雇用・産業対策に関する緊急申し入れ(要請)

東京地方労働組合評議会 議長 荻原 淳

  中華人民共和国をはじめ世界各国で発生している新型コロナウイルス感染症は、我が国においても発生し、日々感染者の増加が報道されています。国内の拡大防止は急務です。
 こうしたなかにもかかわらず、政府の対応は後手に回っているばかりか、政府来年度予算に同感染症対策がまったく計上されていません。国民の安全・安心の確保ができないのではないかという不安は高まっています。さらに、昨日政府が発表した、全国すべての小中学校、高校、特別支援学校への休校要請は、共働き世帯やシングルマザー等世帯に対する関連策が打ち出されていないこととあいまって、批判が高まっています。都民・都内在住在勤者が政府のこうした場当たり的、五月雨的で小手先の政策に振り回されることがないよう、東京都として抜本的対応が必要です。
 こうした情勢をふまえ、ここに東京地評として雇用・産業対策に関する緊急要望を申し入れます。早急にご対応いただきますよう、謹んで要請いたします。


(1)雇用・就業行政関係
 雇用・就業の安定は、働く場を確保し生活と経済を維持・安定する基本です。都内在勤者が発症し働けなくなったり、もしくは事業所で発症者が生じたことにより事業が休止したりする等により、雇用・就業が不安定な状況に陥ります。
@ 感染症発生による、都内の雇用・就業への影響について正確な情報の把握とその提供を進め、都内勤労者に正しい情報の発信に努めてください。
A @の情報把握と情報提供については、とりわけ非正規雇用労働者をはじめとする不安定雇用労働者に対して十分に焦点をあててアプローチしてください。
B 東京都として緊急相談窓口を開設されたことは大変重要です。開設時間の拡大、雇用・生活総合相談、巡回相談等の実施などを、施策展開をしながら早急に拡充してください。これらの相談についての広報を徹底し、都内各所に周知されるようにしてください。また、区市町村、労働団体などによる多様な臨時相談窓口の設置を支援し、それらで把握された課題等の解決にむけて、関係機関の連携を迅速かつ柔軟に進めてください。
C 過去の災害時、感染症発生時の例を参考に緊急助成策を講じ、感染者発生事業所の雇用の安定を図ってください。
D 事業所に対し、有給休暇の取得をいっそう促し、本人およびその家族・親族の感染症発症にかかる休暇・休業については、事業主都合による賃金補償などを進めるよう支援してください。
E 子どもが休園・休校等により通園・通学が不能となる場合、その家族がただちに休暇・休業をとれるよう事業所に促してください。また、この休暇・休業の取得が、労働者本人の不利益とならないように対策を講じてください。 F 感染症発生事業者で働く勤労者の生活支援の観点から、勤労者本人およびその家族に対する既存の融資制度を条件緩和したり融資制度を充実させたりしてください。 G 上記については、いずれも共働き世帯、シングルマザーなど単身で育児・養育している世帯、要介護者を抱えている世帯、移住労働者をはじめとする外国にルーツを持つ世帯に十分配慮した、行政資源配分と施策展開を進めてください。

(2)産業行政関係
@ とりわけ中小企業は資金的な余裕もなく国、都、市区町村による資金支援が急がれます。東京都として、既存の融資制度を十分に活用するとともに、その利用条件や限度額の緩和など制度の「上乗せ・横出し」を図ってください。また、感染症発生事業者との取引がある事業者の間接被害にも対策が必要です。間接被害事業者の資金繰り支援など、必要な支援を進めてください。
A @に関わり、国に対し必要な支援を求めるとともに、区市町村に対し、関係制度の柔軟かつ弾力的な運用を指導してください。

以上