第2回 市場移転
   築地市場移転問題の真の狙い

 一九九九年四月に石原東京都知事が誕生、築地市場は「古い、狭い、汚い」と称して、現在地再整備から豊洲への移転再整備へと大きく方向転換を図りました。  しかし、移転予定地の豊洲は、東京ガスの工場跡地であり、土壌や地下水が基準値をはるかに上回るベンゼン、シアンなどの有害物質で汚染されており、「食の安全・安心」が確保できない、生鮮食品を取り扱う公共市場として相応しくないと移転反対運動が盛り上がり、市場関係者だけでなく、消費者・市民団体にも広がり、都民・国民運動となり、東京都議会、国会でも移転問題が大きく取り上げられるようになっています。  私たち、「東京中央市場労働組合」は、移転反対運動の前衛部隊として奮闘しています。築地市場の豊洲移転整備いわゆる「豊洲新市場計画」は、単に「食の安全・安心」が損なわれる問題だけでなく、大きな本質問題が根底にあります。それは、築地市場が老朽化した、手狭になったから豊洲への移転整備するということではないのです。

市場移転反対デモ(08年7月21日 築地市場周辺)
  二〇〇一年農水省は、「第七次卸売市場整備基本方針」を発表。おりしも、その年の四月に小泉内閣が発足、一二月に築地市場の豊洲移転を正式決定、二〇〇四年農水省「卸売市場法」改悪、同年一〇月「第八次卸売市場整備基本方針」を発表し、そこで規制緩和政策に基づく卸売市場制度の見直しを提言しています。

 この「方針」は、生産・消費両サイドの期待に応えられる「安全・安心」で「効率的」な流通システムへの転換と称して、@卸売市場制度の見直し→私的利潤の追求のために公共市場を変節、セリ制度を相対取引へ、A卸売市場の再編合理化→経営体質の強化と称した卸会社の統合・合併の推進、「効率的な流通システム」と称した中小零細仲卸業者の切捨て、BPFI導入(民間活力の活用)→公共市場の民営化等々、「豊洲新市場計画」を推進する中で、大都市拠点卸売市場を形成し、規制緩和路線の延長線上で多国籍企業化した食品産業のための巨大食品流通センターを実現しようとすることに真の狙いがあるのです。

 日本産業協議会(JAPIC)を中心とした築地市場の跡地売却を狙う利権集団による大規模開発の一環であることも見過ごせません。  したがって、断固計画を阻止し、民主的な卸売市場制度の確立を目指し奮闘する決意です。

       (全労連全国一般東京地本 東京中央市場労働組合 執行委員長 羽根川 信)