労働検討会への要望について

司法制度改革推進本部
推進本部顧問  各位
労働検討会委員 各位
                                          2003年6月18日
                                    東京地方労働組合評議会
                                           議長 中山 伸
 平成13年6月の司法制度改革審議会意見に基づき司法制度改革推進本部の各検討会において審議が進行しています。平成14年3月19日の閣議決定「司法制度改革推進計画」の「労働関係事件への総合的な対応強化」では、@審理期間をおおむね半減することを目標とし・・・民事裁判の充実・迅速化に関する方策、法曹の専門性の強化 A雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する労働調停の導入を図ること B労働委員会の救済命令に対する司法審査の在り方、雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する裁判制度の導入の当否、労働関係事件固有の訴訟手続の整備の要否、について検討の方向を示しています。
 すでに労働検討会は、5月30日に第20回検討会を開催し、各論の検討2巡目終了の7月23日に行なわれる第23回検討会において、「中間取りまとめ」が予定されています。
 私どもは「中間取りまとめ」に際して、労働裁判の当事者や労働組合などから意見を聴き取り、あらためて次の「要望」を貴職に申入れ、今後の審議に生かされることを願っています。
 また、弁護士費用の敗訴者負担問題が司法アクセス検討会で審議されています。特に労働組合関係の事件では「力の格差がないから」導入が認められるとの実情を見ない審議が行なわれています。私どもは、検討会が労働組合など関係団体の意見聴取を行ない、実情を把握することを要請するとともに、労働者の司法アクセスが抑制されないよう改めて弁護士費用の敗訴者負担制度を導入しないよう強く申入れるものです。

1.労働裁判の充実・迅速化をはかるうえで、
@裁判官など法曹人口、裁判所職員、法廷数などの人的・物的拡充、とりわけ労働裁判の充実・迅速化に必要不可欠な裁判所速記官の養成を再開すること。
A証拠開示義務および立証責任の転換などの法整備を整えること。
2.労働裁判の迅速・簡便性を進めるために、労働者と使用者の代表が参加する「参審制」を実現すること。
3.労働調停の導入に際して、当事者が望まないのにすべての労働事件を調停に付することを義務付けないこと。
4.労働委員会命令取消訴訟は事実上の5審制となり、終結まで10年、20年と長期にわたり当事者に耐え難い苦痛を与えています。長期化を防ぎ、迅速な確定をはかるため労働委員会命令取消訴訟の第1審を現行の東京地方裁判所ではなく、高等裁判所の管轄とすること。
5.賃金未払いなど比較的判断が容易な事案に対しては、費用もかからず、当事者が簡便に裁判を起こせ、短い審理期間で結論を出す簡易労働訴訟を導入すること。
6.司法制度改革審議会意見の基本理念として掲げられた「国民が利用者として容易に司法ヘアクセスすることができる」制度と逆行し、とりわけ労働者の訴権を著しく阻害する弁護士費用の敗訴者負担の導入は行なわないこと。
                                                 以上